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2008年11月18日

東北大で細胞老化抑制するタンパク質を発見

これは、2008-11-17の東北大学大学院医学系研究科及び財団法人癌研究会癌研究所によるリリースによるもの。

この研究は、東北大学大学院医学系研究科・生物化学分野(五十嵐和彦教授)のグループならびに財団法人癌研究会癌研究所(野田哲生所長)、独立行政法人理化学研究所基幹研究所(吉田稔室長)のグループとの共同研究の内容。

米国の学術誌Nature Structural & Molecular Biology 誌(ネイチャー構造分子生物学誌)の電子版に11 月16 日18 時(英国グリニッジ標準時間)への発表に先駆けてのもの。

現在は、Nature Structural & Molecular Biology 誌では、『Bach1 inhibits oxidative stress?induced cellular senescence by impeding p53 function on chromatin』とのタイトルで9ページのpdfファイル(英文)にて掲載されています。

この研究のポイントは、転写因子Bach1 ががん抑制因子p53 と結合してその働きを抑え、細胞老化を抑制することをマウスでの遺伝子破壊実験やタンパク質ネットワーク解析などにより明らかにしたというもの

人体を構成している細胞は、分裂を繰り返しながら増殖していきます。

しかし、その分裂は無限に繰り返されるということではなく、その分裂回数を一定の範囲に制限する仕組みがあることが知られています。

その仕組みの一つが、細胞老化になります。

細胞老化が幹細胞などで生じると組織・臓器の再生能力が低下することから、細胞老化は個体の老化の一因ともなっていると見られています

他の側面からすると細胞老化は、遺伝子に変異が蓄積した細胞が増殖してしまうことを防ぐことで、がん化を抑制するという重要な機能を備えた仕組みでもあります

細胞老化は、p53 という転写因子が働くことにより進行します。

p53 は、細胞老化に関わる遺伝子を発現させることにより細胞の増殖停止を促し、細胞老化を誘導することが知られています。

またこの働きにより、p53 は異常細胞の増殖を防ぐがん抑制因子としても働いています。

しかし、細胞老化の前後でp53 の働きがどのような分子メカニズムに基づいて調節されるのかが長年不明とされていました。

東北大でのリリースによると今回解明されたその分子メカニズムは以下のようなものとのことです。


『転写因子Bach1p53 と結合してその働きを抑え、細胞老化を抑制することをマウスでの遺伝子破壊実験やタンパク質ネットワーク解析などにより明らかにしました。

Bach1 遺伝子を欠損する細胞は、野生型の通常細胞と異なりp53 が容易に活性化し、速やかに細胞老化に至りました

すなわち、Bach1p53 の働きを阻害することにより、細胞老化のブレーキとして働くことが証明されました

細胞老化が「がん抑制」としての機能を併せ持つことを考えると、Bach1 は、老化を抑制するのみならずがん化を促進する役割を持っている可能性があります

また、個体の老化に対してもBach1 がブレーキ役として働いている可能性があります。』

遺伝子の近傍に結合し、その遺伝子の発現(RNA への転写)を調節する一群のタンパク質の転写因子Bach1が、老化の促進と、がん増殖の抑制という表裏一体の機能を持つがん抑制遺伝子p53がつくるたんぱく質と結びつくと細胞老化のブレーキとして働くとの興味深い研究で「がんや老化を制御する治療薬の開発」に繋がっていくことが期待される

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投稿者 analyst on 2008年11月18日 10:09

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