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2009年01月31日

クラゲ抽出のタンパク:「クニウムチン」が「変形性関節症」に有効との動物実験

エチゼンクラゲなどに含まれる糖タンパク質たんぱく質「クニウムチン」が、関節の軟骨がすり減る「変形性関節症」の治療に効果があることを、東海大の佐藤正人准教授(整形外科学)及び理化学研究所での動物実験で見いだしたとのこと。

ムチン (mucin) は、分子量100万~1000万の、糖を多量に含む糖タンパク質(粘液糖タンパク質)の混合物で、動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分として考えられてきた粘性物質である。

ムチンは、人間だけでなく様々な動物における粘液を形成している重要な化合物と考えられています

動物の分泌する粘液、例えば、口腔、胃、腸をはじめとする消化器官や鼻腔、腟、関節液、目の表面の粘膜にはほぼ全てムチンが含まれています。

またうなぎやどじょうなど魚類の体表のぬめりもムチンになります。

またサトイモやレンコン、シロキクラゲなどに含まれている植物性のものもよく知られています。

あの独特の粘りの成分がそうです。

ムチンは、アポムチンと呼ばれるコアタンパクが、無数の糖鎖によって修飾されてできた巨大分子の総称になりますが、詳細な構造が明らかにされているものが少ないとされています。

理化学研究所と信和化工株式会社とが共同で、エチゼンクラゲ、ミズクラゲなど日本沿岸に普通に見られる多くのクラゲ種に共通してムチン」が大量に含まれることを発見し、その構造を決定し、「クニウムチン」と命名したもの。

当時の理化学研究所のリリース記事によると以下のように命名の背景が解説されています。

 「クニウムチン」:くらげは、日本最古の文献の古事記の冒頭に「くらげなす」という言葉で登場することからもわかるように、日本人にとって古くからなじみのある海洋生物と思われます。現在大型クラゲの被害を受けている、九州、山陰、北陸にかけての地域は、古代には大陸との交流が盛んで、豊かな経済活動を営んでいた地域に当たります。大型クラゲはちょうどその交易に使われた海流に乗って日本にやってくると考えられています。クラゲ被害という災いを転じて、古代と同じように、再び豊かな産業がこの地方に生まれ、新たな「国生み」につながるように願いを込めて「クニウムチン」という名前を付けました

今回の研究では、関節の軟骨の表面にもムチンがあるが、変形性関節症の人の場合には、その量が少ないことに着目したもの。

変形性関節症のウサギで実験したところ、ヒアルロン酸だけを注射したウサギより、ヒアルロン酸クニウムチンを注射した方が、軟骨の厚さの回復がよく、損傷の度合いや範囲も大きく改善したとのこと。

このような改善効果が得られたのは、ヒアルロン酸クニウムチンを包み、相乗効果によって軟骨に長くとどまるからではないかと考察されているようだ。

クニウムチンは、クラゲの体重の0.02%~0.1%(部位によって異なる)含まれているとのこと。

今回の「変形性関節症」への応用だけでなく、色々の応用研究が進められています。

クニウムチンが幅広く活用されるようになると、廃棄物として扱われてきたクラゲの回収・処理問題を一石二鳥で解決することが可能となります。

なお今回の研究成果は、3月に東京都内で開かれる日本再生医療学会で発表するとのこと。

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投稿者 analyst on 2009年01月31日 19:56

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