中国製の冷凍インゲンから高濃度の「ジクロルボス」検出
1月の冷凍餃子の事件もまだ未解決だがまたも食の安心・安全を揺るがす問題が発生している。
スーパーなどで購入した食品は、その原産地を確認し、中国産でないことがチェックポイントの一つになってしまった面があるが、ギョーザ、メラミンなど問題が相次ぐなかで冷凍野菜からということで、またかとユーザーの不信が助長される流れが免れないところ。
東京の八王子市の「イトーヨーカドー南大沢店」で主婦が購入し、食べた商品「いんげん」から検出されたジクロルボスは、6900PPMだったとのこと。すなわち、約0.7%の濃度ということ。
ジクロルボスは、一般名で、化学名は、「ジメチル-2-2-ジクロルビニルホスフェイト」((CAS番号)63-73-7)になる。
この物質は、熱分解又は、酸との接触により有毒な塩化物のフュームや猛毒のガスのホスゲンを生成する。
この物質が目に入ると粘膜を刺激し、甚だしい場合、全身痙攣、縮瞳等を起こすことが知られている。
また吸入した場合には、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、多汗等の症状を呈し、甚だしい場合には、縮瞳、意識混濁、全身痙攣等を起こすことがあるとされている。
急性毒性は、コリンエステラーゼ阻害作用がある。他の有機リン系殺虫剤と同様の作用で中枢神経が麻痺する。
視野狭窄などのコリンエステラーゼ阻害症状は、あの青酸カリの中毒作用とも似ている。
この物質の急性毒性のデータは、ラットの経口および経皮の試験で試験したラットの半数が死ぬ濃度(LD50)が体重1kgあたり、以下のように数十から100mgの濃度のレベル。
- 経口(ラット)LD50(推定):56~112mg/kg
- 経皮(ラット)LD50(推定):75~107mg/kg
ジクロルボスは、農薬で使用される際には、通常100PPM程度に希釈されて溶剤化されて用いられるとのここと。
0.7%となると農薬として使用されるレベルの70倍の濃度で、農薬の原液のレベルになる。
人の影響について、LD50を安全を見て50mg/kgのレベルとすると体重50kgの人がこの濃度の冷凍インゲンを280グラム程度食すると命に危険があることになる。
0.7%という高濃度は、残留農薬レベルとしては考えられず、事件、事故の可能性が極めて高いことになる。
仮にジクロルボスで汚染された食品を飲み込んでしまった場合には、うがいをさせた後、多量の水や牛乳を与えて吐き出させる。安静にし、速やかに医師の手当を受ける。なお、意識不明の場合には、吐き出させてはならないとされています。
問題となったインゲンを輸入販売していたニチレイフーズも現地農場の土壌づくりから関与してきたようだ。
とくに出荷までに委託工場で3回の検査を実施し、基準をクリアした9社のみに生産を委託し、「安全体制には自信がある」とのことだったようだが、徹底した原因究明と安心・安全が保証できる再発防止策の確立が必要だ。
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