三重県伊賀市の整形外科医院と衛生管理
三重県伊賀市の整形外科の診療所で点滴を受けた女性1人が死亡、18人が入院した事件で、県は12日、患者4人の血液からセラチア菌を検出したと発表されています。
最初の報道では、事件か事故かについても肝心の情報が少なく、何が起こったのかよく分かりませんでしたが点滴液の作り置きで増えた細菌などが混入し感染症を引き起こした疑いがあると判断されているようです。
調合された点滴液のボトル容器が事務机の上に放置されたままになっていたり、医療法で義務付けられた「院内感染対策の指針」が作成されないなど、この整形外科医院がずさんな衛生管理をしていたことも明らかされてきています。
県の調査したところによると、作り置きして余った点滴液は、夜間、空調の切れた点滴室に置いたままにされ、次の診療日に使うことがあったとのこと。
ここで検出されたと発表されているセラチア菌(Serratia Marcescens)は、クリスタル・バイオレッドで染色し、ヨード液で処理した後、アルコールで脱色するグラム染色にて、染色されないグラム陰性の桿菌で腸内細菌のひとつとして知られています。
セラチア菌はどこにでもいる菌で、人間の腸内にも常在している大腸菌と親戚の菌。
本来、毒性は弱いが、癌患者や高齢者、心臓手術など大きな手術を受けた直後の患者など、免疫の力が低下した人に対しては病原性を発揮して敗血症や肺炎などを起こすことになる。いわゆる日和見感染症のひとつ。
などで知られていた菌。
菌の増殖スピードは、栄養源、温度などの環境条件にも依存するが、2のn乗で増えていくので恐ろしくその増殖スピードは早い。
点滴液の作り置きとは信じがたい話だ。
感染症リスクよりも患者を待たせないことが合理的サービスと勘違いしたものか。
テレビで放映された範囲でも、院長は、このような点滴液の作り置きについて過去にあったが、現状は把握していないようなあいまいな発言であったが、「1日約350人の患者が訪れ、(診療所の様子は)野戦病院状態。院内感染が発症する率は高かった」といまにも泣きそうな発言に変わり、さらに「今回の事件はすべて院長、管理者の私の責任。裁きの来る日を待っています」と患者にむけての謝罪の弁をのべているとのこと。
何名の医者と看護師で対応していたか分からないが、1日約350人の患者数は、異常に多いように思われる。
この医院について患者の評判は、良かったようだが、院長は、私の家には、風呂もないとか、昼食も食べることができず治療に没頭する日々だったとかと語っていたが、多忙であっても衛生管理の基本を怠ると感染症などのリスクは高まってしまう。
ここのところ相次いで、食の安心・安全が問題となったが、医療の安心・安全も大丈夫かと不安になる。