人間の皮膚から万能細胞/京大:山中教授
昨日のテレビのニュースでは、京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授が各局をはしごして登場していました。
人間の皮膚から万能細胞をつくるという研究発表が一斉にマスコミで取り上げられ、注目されたことによります。先生のキャリアは、整形外科医から再生医科学研究へと転身されたとのこと。整形外科医として膠原病などの難病に接する中で、基礎研究を重要性を強く意識されたことによる。
世界で初めて成功とのことで、皮膚細胞などを使って別の臓器の細胞になる能力を備えた人の万能細胞(人工多能性幹細胞=iPS細胞)をつくったということによります。11/21に山中教授のグループは、米科学誌セル(電子版)に発表したものです。それに先立つリリースとのことです。
病気や事故で臓器や組織が損なわれても、万能細胞をもとに臓器や組織をつくって補う再生医療は、高齢化が進む我が国では、夢とされてきた医療になります。
これまでの再生医療のための代表的な万能細胞には、胚(はい)性幹(ES)細胞を用いる方法によるもので、この場合は、受精卵を壊すことから、人の生命の芽生えを損なうこととの倫理上の問題があり、宗教的な観点からも反対する意見が強かったことがあります。テレビでも米国のブッシュ大統領がES細胞を用いた万能細胞の研究に否定的な立場をとってきたことが報道されていました。
今回の山中教授のグループの研究では、昨年8月、マウスの皮膚細胞に特定の四つの遺伝子を組み込んでiPS細胞をつくるという新しい技術を開発し、この方法を用いる場合には、受精卵とは無関係に倫理的な問題が避けられるため、世界の注目を一気に集めたとのことです。
テレビでの情報では、成人の顔の皮膚の細胞や関節にある細胞に、上記の四つの遺伝子を組み込む手法を活用したもの。従来の技術で行われてきたES細胞の培養において用いられてきた増殖因子を加えたり、より長く培養したりして人間のiPS細胞をつくるのに成功したもの。
とくにこの細胞が、神経細胞や心筋細胞、軟骨などへ分化し、臓器のもとになることも確認したという。テレビでは、 心筋細胞の写真が紹介されていました。
この技術を発展させて、先生のお話では、5年位先か、競争が激化とのことで2年後位かには、iPS細胞から臓器や組織をつくる技術が確立できるのではないかとの談話。
この技術では、自分の細胞を用いるため臓器移植などで問題になる拒絶反応も避けられる。安全性では、組み込まれる遺伝子にガン化などのリスクを含む場合に、マウスの実験では、臓器がガン化するという課題があったようだ。『狙った細胞に効率よく分化させたり、安全性を高めたりして再生医療に向けた臨床応用につなげたい』との力強い先生の言葉。
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