受精しない卵子でES細胞
体外受精で受精しなかった卵子を使ってクローン胚をつくり、そこからさまざまな細胞に分化できる胚性幹細胞(ES細胞)をつくったとのマウス実験の結果が発表されています。
2月20日のNHKのニュースでも報道していました。
これは、理化学研究所神戸研究所(神戸市)の若山照彦チームリーダーの研究によるものでその成果は、米科学誌カレント・バイオロジーに20日、発表したとのこと。
胚性幹細胞(ES細胞:embryonic stem cell)というのは、杯盤胞期の受精卵の内部細胞塊(Inner Cel Mass:ICM)に由来し、in vitro(試験管内などの人工的に構成された条件下、すなわち、各種の実験条件が人為的にコントロールされた環境であることを意味する)で未分化状態を保ったまま培養維持できる細胞のこと。
ICMの細胞は、胚本体を形成する細胞で、生殖細胞を含むすべての組織のもとになる肝細胞。
現在、注目されている方法がトランスジェニック動物作成法と呼ばれる方法で、細胞の段階で形質転換細胞を選抜でき、相同組み換え系を開発することで、狙った形質、遺伝子を変化させられるので、目的とする動物の作成を効率的に行える技術として期待されているもの。この方法により作成された動物は、キメラ動物になるが、生殖腺が組替え細胞由来になった生殖系列個体は、その後は、通常の交配で組替え形質を遺伝し、固定化させることができるメリットがある。
従来の方法を人間に応用する場合、女性から新鮮な卵子を胚性幹細胞(ES細胞)として提供してもらう必要がある一方、クローン人間づくりにつながる恐れが指摘されていました。このクローン胚は、雌の体内に移植しても子どもが生まれなかった。
不妊治療の体外受精で受精しなかった卵子は、廃棄されているので、この卵子から胚性幹細胞(ES細胞)を作成した場合には、若山さんは「人間に応用できれば、倫理的課題の解決につながる可能性がある」と話しているとのこと。
若山さんらは受精しなかったマウスの卵子約430個で実験。核を取り除き別のマウスの体細胞の核を入れてクローン胚をつくり培養する方法で、新鮮な卵子を使った場合とほぼ同じ約6%でES細胞ができた。ES細胞の分化能力や染色体数などは正常だったとのこと。
再生医療において着々と成果が生まれてきているように思います。
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