メタボに朗報!細胞内での脂肪合成の阻害化合物を発見
『京都大学 物質-細胞統合システム拠点の上杉志成教授、米ベイラー医科大学のサリ・ワキル教授、東京大学 先端科学技術研究センター 代謝医学分野の酒井寿郎教授らの研究グループが、ファトスタチンという有機化合物を発見し、その化合物が細胞内で脂肪の生合成を阻害することを突き止めた』と8月28日のニュースで報道されています。
今回の発表は、8月27日付の米紙:「ケミストリー・アンド・バイオロジー」への発表と連動してのリリースになります。
今回のリリースの内容を要約するとざっと以下のような内容です。
メタボリックシンドロームは、主として脂肪や炭水化物を過剰に摂取することに起因します。
これまでの上杉志成教授らの研究で培養細胞の脂肪油滴の蓄積を阻害する化合物としてファトスタチンという化合物が知られていました。
これまでの知見では、数多くの酵素が関与して炭水化物から脂肪酸やコレステロールへの変換されることは知られています。
とくにこれらの酵素の発現レベルを包括的に制御しているのは、SREBP(sterol regulatory element-binding protein)という転写因子で、これは、細胞の小胞体の膜に結合した前駆体として合成されています。
この前駆体が切断酵素によるプロセシングによって、膜から切り離されることにより、核内の標的遺伝子の転写を活性化することが可能になります。
そして、SREBPのプロセシングは、コレステロール等のステロールによってシビアにコントロールされています。
すなわち、ステロールは、小胞体の膜上に存在するSREBPのエスコートタンパク質であるSCAPと結合することで、SREBPのプロセシングを制御しています。
このSREBPは、脂質代謝の恒常性を維持する上で、極めて重要な転写因子になります。
今回の研究では、ファトスタチンがSREBPの活性プロセスを抑制し、脂肪合成を抑制することを確かめたというものです。
例えば、遺伝子操作で食欲を抑えられないようにした肥満マウスの体重が、1か月の間に25グラムから36グラムに急増し高血糖や脂肪肝になったのに対して、
他方、ファトスタチンを注射した肥満マウスは、1か月間餌を食べ続けても体重が32グラムに抑えられ、また血糖値も正常だったとのことです。
今回の研究は基礎研究で『メタボに特効薬!』とは飛躍かも知れませんが、このファトスタチンという合成有機化合物の類縁体が糖尿病や脂肪肝などの代謝疾患の治療薬として将来利用される可能性もあると考えられます。
メタボに悩む現代人には、朗報です。
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