ビタミンのサプリ、「延命効果なし」との報告
こちらは、CNNのサイトで報道されたニュースで以下の内容のもの。
『シカゴ(AP) 欧米を中心に世界で数千万人が利用しているといわれるビタミン、ミネラルの栄養補助食品(サプリメント)には、寿命を延ばす健康効果がないとの研究結果を、このほどデンマークの学者らが発表し、波紋を呼んでいる。
医療に関する研究の評価を続けている国際的な専門家グループ、コクラン共同計画が、米医学誌「JAMA」で報告した。これまでに世界各地で実施された68件の研究の成果を統合、分析した結果、サプリメントの使用と死亡率の間には関連性がないことが分かったという。
同グループが分析したのは、ビタミンA、C、E、ベータカロチン、セレンなどのサプリメントの効果を調べた研究。標準量をはるかに超える摂取を続けたケースや、偽薬を与えられたケースも含め、対象者を合計すると23万人余りに上る。
報告によると、さらに「信頼度が高い」と判断された研究47件(対象者約18万人)に絞って分析したところ、一部のサプリメントでは死亡率がかえって高くなるとの結果も得られた。摂取した人の死亡率は通常に比べ、ビタミンAで1・16倍、ベータカロチンで1・07倍、ビタミンEで1・04倍と算出された。同グループのクリスチャン・グルード博士(デンマーク・コペンハーゲン大学病院)は、「巨大なサプリメント業界が効果を立証しようと研究を繰り返しているにもかかわらず、その目標は達成されていない」と結論付けている。
この発表に対し、専門家からは批判が集中。栄養学者のミーア・スタンファー教授(米ハーバード大)は、「それぞれの研究の対象者や実施期間、摂取したサプリメントの内容には大きな差があり、統合するには無理がある」と語る。また、サプリメント業界団体の研究者、アンドリュー・シャオ氏は、同グループが分析対象となる研究を恣意的に選んでいると批判する。
一方、米タフツ大のアリス・リクテンスティーン教授は、「今回の研究結果から言えるのは、ビタミンなどを取ろうとする時、サプリメントには頼るべきでないということ。栄養は、食物から摂取すべきだ」と話している。 』
(CNNのサイトより)
私は、サプリメント業界とは何も関係ないが、この種の比較分析には、疑問があるように思う。
サプリメントを摂取している人がなぜサプリメントを摂るかというとサプリメントを必要としていない人と比較して、健康状態に何らかの不安を感じている人がサプリメントを摂取して健康の弱点をカバーするということがそもそもあるのではないかと思う。
サプリメントの必要性を感じていない健常者と健康不安からサプリメントに頼ってカバーしたいと願っているサプリメント摂取者との間に、ベースに健康状態のハンデキャップがあるように思われる。
本来の比較は、サプリメントを摂取している人がサプリメントを摂取していなかったらどうであったかという比較しか意味がないのではないか。
このようなデータを取る事は、もとから不可能。
そうなるとサプリメントを摂取している人と摂取していない人との間で、食生活から生活環境など全てが異なっているので異なったサンプル間で比較しても余り意味が無いと思われる。
サプリメントを志向する生活者の群は、サプリメントを必要としない人の群と比較するとストレスに囲まれて生活しているケースが多いと思われ、ここでも置かれている環境上のハンデキャップがあるのではないかと思われる。
これらの違いを総合すると今回の発表は、余りにも強引すぎる結論のように思える。
統計的なデータの処理は、意図する報告にある程度誘導することができる面がある。
いくら国際的な専門家グループ、コクラン共同計画の導き出した結論とは言っても、この種の大雑把な統計的な比較情報よりは、個々のサプリメントの効果についての生理的なメカニズムの点からの詳細な解析情報が有用で信頼できると思う。