風邪
テレビなども風邪薬のコマーシャルが目立つ季節になってきました。
風邪というのは、上気道におこる急性伝染性の病気。
風邪の原因は、ほとんどはウイルスで、風邪をひきおこすウイルスは100以上もあることが知られています。
ウイルスとしては、ライノウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどがあります。
ウイルスは、のどの粘膜にくっついて、鼻粘膜のうっ血・鼻汁分泌、咽頭炎、咳(せき)などの症状をひきおこします。細菌による呼吸器疾患、花粉症や喘息のようなアレルギーでも類似した症状がみられるため、風邪を正確に確定するのはむずかしいことになります。
風邪にかかっても症状は7日ほどで自然になおります。
風邪による粘膜の障害は、ひきつづいて細菌感染を生じやすくさせ、気管支炎、肺炎、扁桃炎、副鼻腔炎や中耳炎などの病気がおこることもあります。
風邪に関係しているとされるウイルスは種類が多く、1種類の中にもいくつかの株(系統)があるため、ワクチンをつくるのはきわめてむずかしいことになります。抗生物質もよくつかわれるが、いずれも有用という明確な確証はありません。
風邪の予防の基本は、寒冷刺激を避けることと言われています。長時間冷気を吸い込むと鼻や喉の粘膜の血管が収縮して,粘膜面にある線毛の動きを悪くしてウイルスや細菌が住み着きやすくしてしまうからです。鼻から気管・気管支粘膜に高級絨毯のようにぎっしり生えていて,常に侵入してきた異物を波打つような動きをして外部に排泄するような働きをしています。どの粘膜に付着したウイルスや細菌を洗い流す効果があります。
風邪の病原体に対するワクチンはありません。風邪をこじらせて細菌感染を併発することは珍しくありませんが,肺炎球菌に対するワクチンは、実用化されています。肺にもともと病気があったり、肺の病気の後遺症をもつ高齢者などは5年に1回この肺炎球菌ワクチンをしておくのもいいかもしれません。
適度の緊張感をもって生活している時のほうが風邪をひかないことは経験するところです。這ってでも出て来いという上司は,この緊張感を植え付けて風邪をひかない社員を育てようということかもしれません。臓器・組織にマクロファージと白血球は,侵入した細菌やウイルスなどを処分して身体を守っていますが,これらに自律神経が影響・支配していることが分かってきました。
風邪をひくと熱が出ます。そのメカニズムは,風邪のウイルスが身体に侵入すると感染がおきたどの粘膜などに,白血球の仲間のマクロファージという細胞が集合してウイルスを食べます。体温が上がると白血球や線毛の働きは活発になり,ウイルスを食べたり外部に排出する機能が順調に働きます。そんなわけで風邪の熱は必要があって出ているのです。風邪の初期にあわてて解熱剤を服薬することは風邪を長引かせることにつながりかねません。全身が消耗・衰弱するほどの場合は,解熱剤の使用は問題ありません。医師が処方する風邪薬でも同様ですが,発熱のメカニズムを知った上で適切に使いましょう。