花王:髪のハリコシ低下に関与する遺伝子「VEGF」を特定
花王の生物科学研究所とビューティケア研究センターでは、かねてから毛髪の老化現象について遺伝子レベルで解析し、研究しているが、2008年1月17日に毛髪のハリコシの低下に関与する遺伝子として、血管の形成を促進する作用が知られている遺伝子「VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor;血管内皮増殖因子)」を特定したこと等を発表しています。
また、毛根中のこのVEGFの作用が減ると、毛髪が細くなってハリコシがなくなることを見出したとのこと。
毛髪の平均の太さは、約50ミクロンと言われていますが、男女ともに、加齢とともに少しずつ毛髪が細くなり、ハリコシがなくなってきます。またこのハリコシの低下の現象は、男性ではより顕著に認められるということも、よく知られていましたが、その原因は、不明とされてきました。
花王では、加齢にともなう毛髪のハリコシ低下の根本的な原因を探ることを目的に、ハリコシに影響する毛根中の遺伝子を探索したとのこと。
今回の研究では、11~70歳の女性、延べ126人の協力を得て、側頭部から後頭部の毛髪をまんべんなく一人当たり約50本、サンプリング。この毛髪試料から、毛髪が作られる毛根部を採取し、毛根部からRNAを抽出したとのこと。
さらに、ヒトの約5万種類の遺伝子発現量を網羅的に解析できるDNAマイクロアレイ法、及び定量的RT-PCR法を用い、毛根の遺伝子発現量を解析したもの。
このようにして、加齢とともに遺伝子発現量が変化する遺伝子を解析した結果、10代に比べて1.6倍以上の発現変化が認められた遺伝子として、1915種類の遺伝子が見いだされたとのこと。
さらに、この1,915種類の遺伝子について、毛髪の太さ(直径)とハリコシ(専門家による官能評価、曲げ剛性値)との関係を検討し、加齢にともなう「髪のハリコシ低下」に関係する遺伝子として、血管の形成を促進する作用が知られている遺伝子「VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor;血管内皮増殖因子)」を特定したという。
ここで見いだされたVEGFが毛髪の太さやハリコシを維持する作用機構については、『VEGFは、血管の形成を促進することが知られていることから、血流循環を促進して毛根に栄養を多く供給させていることが考えられる。』としている。
さらに、もう一つのVEGFの作用機構として、毛髪を構成する細長い細胞(コルテックス細胞)同士の接着に関係していることを認めたのことだ。
これは、VEGFの新たな機能として注目しているとのこと。
今後、この成果のもとで、毛髪を太くしハリコシを増強する薬剤の開発や、育毛料やコンディショナーなどのヘアケア商品が登場してくることが期待される。
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